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- 公衆衛生・人獣共通感染症まとめ公衆衛生は、社会全体の健康を守る取り組みである。動物から人へもうつる人獣共通感染症(ズーノーシス)を中心に、その基礎、代表的な病気、感染対策と予防、関連する法規と動物看護師の役割までを、図ではなく文章で読んで理解する。
- マイクロチップと飼い主の責務(法規の読み物版)動物を飼うことには、法律で定められた責任が伴う。飼い主の責務、迷子・災害時に役立つマイクロチップ、犬の登録と狂犬病予防接種、動物愛護管理法のポイント、そして適正飼養を支える看護の役割までを、図ではなく文章で読んで理解する。
- 家畜伝染病(法定伝染病)と人獣共通感染症家畜伝染病予防法では、まん延を防ぐため強い措置(殺処分など)が必要な28疾病を『家畜伝染病(法定伝染病)』に指定している。その多くは、動物と人の間でうつる『人獣共通感染症(ズーノーシス)』でもある。狂犬病・炭疽・鼻疽・高病原性鳥インフルエンザ・牛疫/牛肺疫など、覚えておきたい重要な疾病と、発見時の届出のしくみを整理する。
- 輸入が規制される動物と日本に存在しない感染症人にうつる危険な感染症を国内に持ち込ませないため、感染症法では特定の動物の輸入が禁止されている(イタチアナグマ・タヌキ・ハクビシン=SARS、プレーリードッグ=ペスト、ヤワゲネズミ=ラッサ熱、コウモリ、サル=エボラなど)。また、牛疫・口蹄疫・アフリカ豚熱などの『海外悪性伝染病』は日本に存在せず、侵入を防ぐ厳しい防疫がとられている——その枠組みを学ぶ。
- 動物福祉と動物愛護管理法(5つの自由・マイクロチップ)アニマルウェルフェア(動物福祉)は、動物が心身ともに健康で快適に過ごせる状態をめざす考え方。1964年のルース・ハリソン『アニマル・マシーン』をきっかけに、1965年のブランベル報告で『5つの自由』が示された。日本の動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)、愛護動物、動物愛護週間、マイクロチップ装着の義務化、56日齢規制を整理する。
- 感染症法の類型(一類〜五類)と口蹄疫の偶蹄類ヒトの感染症は『感染症法』で危険度(感染力・重篤性)に応じて一類〜五類に分類される。一類はエボラ出血熱・ペスト・痘そうなど最も危険な7疾病、二類は結核・ポリオ・ジフテリア・SARS・MERS・鳥インフルエンザ(H5N1・H7N9)、三類はコレラ・細菌性赤痢・腸管出血性大腸菌感染症・腸チフス・パラチフスの5疾病。四類は動物・蚊などを介する感染症、五類は発生動向の把握が中心。家畜の伝染病は別の法律『家畜伝染病予防法』が扱う。口蹄疫は偶蹄類が感染し、奇蹄類(馬・サイ・バク)は自然感染しない。
- 狂犬病予防法と自然保護の国際条約狂犬病予防法は、犬の登録と年1回の予防注射などを定めて狂犬病の侵入・まん延を防ぐ法律。対象は犬・猫・アライグマ・キツネ・スカンク。あわせて、自然や野生生物を守る国際条約——湿地と水鳥のラムサール条約(日本第1号は釧路湿原)、絶滅危惧種の国際取引を規制するワシントン条約、生物多様性条約とカルタヘナ議定書、オゾン層を守るウィーン条約——を整理する。
- 診療簿(カルテ)と放射線記録の保存獣医師は、診療した動物について診療簿(カルテ)を作成し、一定期間保存する義務がある。保存期間は動物の種類で異なり、牛・水牛・鹿・めん羊・山羊は8年間、その他の動物は3年間。あわせて、エックス線量の記録は5年間保存することや、放射線を扱う従事者の被ばく限度など、診療記録・放射線管理に関わる決まりを整理する。
- 人獣共通感染症の感染源と媒介動物人獣共通感染症(ズーノーシス)は、病原体と感染源・感染経路をセットで覚えるのが要点。ペストはノミ(げっ歯類)、SFTSはマダニ、日本脳炎は蚊が媒介する。トキソプラズマは猫の糞便中のオーシスト、エキノコックスはキツネ・犬の糞便から感染する。ブルセラ症は犬などの流産(胎盤・分泌物)から、Bウイルス病はサルの咬傷から、狂犬病は感染動物の咬傷から感染する。E型肝炎は豚・猪・鹿の生肉・生レバーから感染する。動物看護師は感染源を理解し、手洗い・防護・適切な取り扱いで人と動物の双方を守る。
- 自然毒・カビ毒による食中毒食中毒のうち、生物がもともともつ毒(自然毒)やカビ毒によるものを、原因物質と原因食品の組み合わせで覚える。動物性自然毒では、フグ毒=テトロドトキシン(強力な神経毒)、シガテラ=シガトキシン(南方の魚)、テトラミン=ツブ貝(唾液腺)。カビ毒の代表はアフラトキシン(ナッツ・穀物に生えるカビ、強い肝発がん性)。植物性自然毒では、ソラニン=ジャガイモの芽・緑色の皮、スコポラミンなど=チョウセンアサガオ。化学物質ではヒ素などの無機毒がある。多くの自然毒は加熱では分解されないため、原因食品を口にしないことが予防の基本。
- 動物に関わる法規(毒薬・劇薬/と畜場法/外来生物・輸入規制)動物医療や動物の取り扱いに関わる法律を学ぶ。毒性の強い医薬品の表示ルール(毒薬は黒地に白枠・白字で『毒』、劇薬は白地に赤枠・赤字で『劇』。毒薬は施錠保管)。食肉のために解体できる動物を定めると畜場法の獣畜(牛・馬・豚・めん羊・山羊)。生態系などに害を及ぼすため飼育・輸入が規制される特定外来生物(アライグマ・ヌートリア・タイワンザル・ジャワマングース・キョンなど)。そして人に感染症をうつすおそれが高く輸入が禁止される動物(イタチアナグマ・コウモリ・サル・タヌキ・ハクビシン・プレーリードッグ・ヤワゲネズミ)を、文章と確認問題で理解する。
- 天然記念物と特別天然記念物の動物日本の貴重な動物を守る天然記念物の制度を学ぶ。文化財保護法にもとづき、学術的・文化的に価値の高い動物・植物・地質などを天然記念物に指定し、そのなかでも特に重要なものを特別天然記念物に指定する。特別天然記念物の動物には、アマミノクロウサギ・イリオモテヤマネコ・ニホンカモシカ・ニホンカワウソなどの哺乳類、トキ・コウノトリ・タンチョウ・アホウドリ・カンムリワシ・ライチョウ・ノグチゲラ・メグロなどの鳥類、オオサンショウウオ、土佐のオナガドリなどがある。また、秋田犬・甲斐犬・紀州犬・柴犬・四国犬・北海道犬の日本犬は(特別ではなく)天然記念物に指定されていることを、文章と確認問題で理解する。
- ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)ペットフード安全法は、犬・猫のペットフードの安全を確保するための法律。対象は犬と猫のみで、パッケージには名称・原材料名・賞味期限・製造業者等の名称(氏名)と住所・原産国名の5項目の表示が義務づけられている。表示の意味と、安全基準に合わないものの製造・輸入・販売の禁止までを、図ではなく文章で読んで学ぶ。
- 家畜伝染病の整理(牛・豚・鳥/病原体別)家畜伝染病(法定伝染病)は、動物種と病原体の種類で整理すると覚えやすい。牛では、ウイルス=口蹄疫・牛疫、細菌=炭疽・結核・ブルセラ症・牛肺疫、原虫=ピロプラズマ病、プリオン=BSE(牛海綿状脳症)。豚では、ウイルス=豚熱(旧・豚コレラ)・アフリカ豚熱・日本脳炎・豚水疱病、細菌=豚丹毒・豚赤痢。鳥(家禽)では、ウイルス=高病原性鳥インフルエンザ・ニューカッスル病、細菌=家禽チフス・家禽コレラ。これらのうち、口蹄疫・牛疫・牛肺疫・BSE・高病原性鳥インフルエンザ・豚熱・アフリカ豚熱は、特に重大で緊急性が高い。