ライフステージ別の栄養管理

犬猫の栄養要求は一生の段階(ライフステージ)で変わる。成長期(子犬・子猫)は体を作るため高エネルギー・高タンパクで、骨をつくるカルシウムも多く必要(体重あたりでは成犬・成猫の数倍のカロリーが必要)。妊娠後期〜授乳期は母体と子のために栄養要求が大きく高まる。維持期(成犬・成猫)は適正体重を保つバランスのとれた食事と肥満予防が中心。高齢期(シニア)は代謝が落ちて必要エネルギーが減るため肥満に注意する一方、筋肉や腎臓・関節に配慮した食事に切り替える。各ステージに合った総合栄養食を選ぶことが基本。

1ライフステージで栄養要求が変わる

犬猫の一生は、栄養要求の違いで『成長期・維持期・妊娠/授乳期・高齢期』に大別される。ステージごとに必要なエネルギー量や栄養素の割合が違うため、その段階に合った総合栄養食を選ぶことが基本。

犬猫の一生は栄養要求の違いから成長期・維持期・高齢期に大別され、妊娠/授乳期(繁殖期)は維持期の中の特別な時期にあたる。各段階で必要なエネルギー量や栄養素の割合が異なるため、その段階に合った総合栄養食を選ぶことが基本になる。

犬や猫が必要とする栄養は、一生の間ずっと同じではなく、成長段階(ライフステージ)によって変わる。

栄養要求の違いから、おおまかに次のように分けられる。

・成長期(子犬・子猫:哺乳期→離乳期→離乳後の成長期)・維持期(成犬・成猫)・妊娠期/授乳期(繁殖期)・高齢期(シニア)それぞれで必要なエネルギー量や栄養素の割合が異なるため、その段階に合った『総合栄養食』を選ぶことが、健康を支える基本になる。

2成長期(子犬・子猫)

成長期は体を作る時期で、体重あたりの必要エネルギーが最も高く(成犬・成猫の数倍)、良質な高タンパク・高エネルギーが必要。骨をつくるカルシウムも多く要る。胃が小さく一度にたくさん食べられないので、回数を分けて与える。成長期用(または全ライフステージ対応)の総合栄養食を使う。

成長期(子犬・子猫)は、体を急速に作る時期で、栄養要求がもっとも高い。

体重あたりで必要なエネルギーが多く、離乳後の子犬・子猫では成犬・成猫の数倍のカロリーが必要とされる。

体(筋肉・臓器)を作るための良質なタンパク質を多めに、また骨の成長に必要なカルシウムも多く必要になる(ただしカルシウムの『与えすぎ』も骨格の異常につながるため、総合栄養食でバランスをとるのが安全)。

消化器が未熟で胃が小さく、一度に多くを食べられないため、1日の食事を数回に分けて与える。

フードは『成長期用』または『全ライフステージ対応』の総合栄養食を選ぶ。

3妊娠期・授乳期(繁殖期)

妊娠後期から授乳期は、母体の維持に加えて胎子の成長・乳の生産のために栄養要求が大きく高まる。特に授乳期はエネルギー要求がピークになる。高エネルギー・高タンパクの、成長期用に近い栄養価の高い食事(総合栄養食)を、量を増やして与える。

妊娠期・授乳期(繁殖期)は、母体自身の維持に加えて、胎子の成長や母乳の生産のために多くの栄養が必要になる。

妊娠の前半は要求量はそれほど変わらないが、胎子が大きく育つ妊娠後半から要求が増え、複数の子に授乳する授乳期にはエネルギー要求が最も高くなる(維持期の数倍に達することもある)。

そのため、成長期用に近い、エネルギーとタンパク質が豊富で栄養価の高い総合栄養食を、量を増やして(必要に応じて回数も増やして)与える。

授乳期は脱水も起こりやすいため、十分な水を用意することも大切である。

4維持期(成犬・成猫)

維持期は成長が止まり、適正体重を保つことが中心になる時期。エネルギーを必要量に合わせ、肥満を防ぐことが重要。避妊・去勢後は必要エネルギーが下がり太りやすくなるため、量の調整や避妊去勢用フードを検討する。維持期用の総合栄養食を選ぶ。

維持期(成犬・成猫)は、体の成長が止まり、健康な体を維持する時期である。

この時期の栄養管理の中心は、『適正体重を保つこと(肥満予防)』である。

活動量に見合ったエネルギー量に調整し、与えすぎないようにする。

特に避妊・去勢手術のあとは、ホルモンの変化で必要エネルギーが下がり食欲が増すため太りやすくなる。

フードの量を見直す、避妊・去勢動物用(ライト/体重管理用)のフードを使うなどの工夫をする。

フードは維持期(成犬・成猫)用の総合栄養食を選び、定期的に体重・ボディコンディションスコア(BCS)をチェックする。

5高齢期(シニア)

高齢期は一般に7歳以上が目安。代謝が落ちて必要エネルギーが減るため肥満に注意する一方、消化・吸収力や食欲の低下、腎臓・関節・歯の衰えにも配慮する。良質なタンパク質を保ちつつ、腎臓に配慮(リン調整)した消化のよい食事や、関節・抗酸化に配慮したシニア用フードに切り替える。

高齢期(シニア)は、一般に7歳以上を目安とする(大型犬はより早く、小型犬・猫はやや遅い傾向)。

高齢になると代謝が落ちて必要なエネルギー量が減るため、若いころと同じ量を与えると肥満になりやすい。

一方で、消化・吸収力や食欲、筋肉量、腎臓・関節・歯の働きも衰えてくる。

そのため高齢期は、・筋肉を保つための良質なタンパク質は確保しつつ、エネルギーは摂りすぎない・腎臓に配慮してリンを調整した、消化のよい食事・関節をサポートする成分や抗酸化成分を含むフードといった点に配慮した『高齢期(シニア)用』の総合栄養食への切り替えを検討する。

食べやすさ(ふやかす・ウェットにする)や、こまめな健康チェックも大切になる。

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