図解で学ぶ
動物看護学

画像検査(X線・超音波)の見方

体の中の様子を調べる画像検査は、診断に欠かせない。X線・超音波を中心に、それぞれの特徴と得意分野、撮影・検査の準備と保定、そして放射線防護を含む安全管理と看護の役割までを、図ではなく文章で読んで理解する。

1画像検査の種類

要点画像検査には、骨や胸腹部を広く写すX線(レントゲン)、軟部組織や臓器の内部・動きをリアルタイムに見る超音波(エコー)、断面を詳しく見るCT・MRI、消化管などを直接見る内視鏡などがあり、目的で使い分ける。

X線と超音波の得意分野の対比。X線は骨や胸腹部全体を広く写すのが得意で、超音波は臓器の内部や心臓の動きをリアルタイムに見るのに向く。

画像検査は、体を切り開かずに内部の様子を調べる検査で、診断の大きな助けになる。

代表的なものに、X線(レントゲン)検査、超音波(エコー)検査、CTやMRI、内視鏡などがある。

X線は骨や胸腹部全体を広く写すのが得意で、超音波は臓器の内部の様子や心臓の動きをリアルタイムに見るのに向く。

CTやMRIは体の断面を詳しく見ることができ、内視鏡は消化管などの内側を直接観察できる。

それぞれ得意・不得意があるため、調べたい部位や目的に応じて使い分け、組み合わせて用いる。

2X線検査

要点X線は体を通る放射線で、骨など通りにくいものは白く、空気は黒く写る。骨折・異物・結石・心臓の大きさ・肺の状態などを評価する。ふつう2方向から撮影する。被曝があるため放射線防護が必要。

X線検査は、体を透過する放射線(X線)を使って、内部を白黒の画像として写す検査である。

X線が通りにくいもの(骨や金属など)は白く、よく通るもの(空気)は黒く、その中間の軟部組織は灰色に写る。

この濃淡から、骨折、飲み込んだ異物、膀胱や腎臓の結石、心臓の大きさ(心拡大)、肺の状態などを評価する。

立体的な位置関係を把握するため、通常は2つの方向(たとえば横向きと背腹方向)から撮影する。

X線は被曝を伴うため、撮影に関わる人は防護衣(プロテクター)を着用し、必要最小限の人数・回数で行うなどの放射線防護が欠かせない。

3超音波検査

要点超音波は体に当てた音波の反射を画像にする検査で、軟部組織や臓器の内部、心臓の動きをリアルタイムに観察できる。被曝がなく体への負担が少ない。検査部位は毛を刈りゼリーを塗る。空気や骨の奥は見えにくい。

超音波(エコー)検査は、体に当てた高い音(超音波)の反射を画像にする検査である。

肝臓・腎臓・膀胱などの臓器の内部の様子や、心臓が動く様子をリアルタイムに観察でき、妊娠の診断などにも用いられる。

X線と違って被曝がなく、体への負担が少ないのが大きな利点である。

プローブ(探触子)を体に当てて検査するが、間に空気があると超音波がうまく伝わらないため、検査部位の毛を刈り、ゼリーを塗って密着させる。

一方、空気を多く含む肺や腸管の奥、骨の向こう側は見えにくいという弱点がある。

4超音波プローブ(探触子)の種類

要点プローブは用途で使い分ける。セクタ型は接触面が小さく扇状にビームが広がり、肋骨のすき間から心臓・血管を見るのに向く。コンベックス型は先端が曲面で広い範囲を見られ、腹部に向く。リニア型は高い解像度で、体表に近い表在臓器(甲状腺・血管など)に向く。

超音波のプローブ(探触子)には主に3つの型があり、見たい部位に合わせて使い分ける。

セクタ型は、接触面(体に当てる面)が小さく、そこから扇状に超音波ビームが広がる。

肋骨のすき間からでも超音波を入れやすく、心臓や血管を見るのに向く(心エコーの定番)。

コンベックス型は、先端がゆるやかな曲面になっていて、広い範囲を一度に観察できる。

腹部の臓器をバランスよく描出でき、もっとも汎用性が高い。

リニア型は、解像度が高く、体表に近い浅い部分(表在臓器)をくわしく見るのに向き、甲状腺や血管などの観察に使われる。

『セクタ=心臓・血管、コンベックス=腹部、リニア=表在臓器』と用途で覚えるとよい。

5撮影・検査の準備と保定

要点正確な画像のためには、正しい体位(ポジショニング)と、動かないようにする保定が重要。動物が動くとぶれて評価できない。性質や検査によっては鎮静を行い、腹部の超音波では絶食が必要なこともある。

良い画像を得るには、準備と保定が重要である。

X線では、目的の部位がまっすぐ正しく写るように体の向きや手足の位置を整える(ポジショニング)。

動物が動くと画像がぶれて評価できなくなるため、検査中は正しい体位を保つ保定が欠かせない。

怖がって動いてしまう動物や、痛みのある部位の撮影では、鎮静や軽い麻酔をかけて行うこともある。

腹部の超音波検査では、消化管のガスや内容物が邪魔になることがあるため、事前に絶食が必要な場合がある。

検査前の準備や、適切で動物にやさしい保定は、看護師の大切な役割である。

6看護の役割と放射線防護

要点看護師は機器・検査の準備、保定、画像の記録・管理を担う。とくにX線では人の被曝を最小にする放射線防護が重要で、防護衣・防護手袋の着用、線量計の管理、不要な人を入れない、妊娠者は撮影に関わらないなどに配慮する。

画像検査では、動物看護師がさまざまな役割を担う。

機器や検査の準備、適切な保定、撮影した画像(データ)の記録・管理などである。

とくにX線検査では、人の被曝をできるだけ減らす放射線防護が重要になる。

撮影に立ち会う人は鉛入りの防護衣や防護手袋を着用し、被曝量を測る線量計(フィルムバッジなど)で管理する。

撮影の場に不要な人を入れない、撮影範囲から体を離す、必要のない再撮影を避けるといった配慮も大切である。

妊娠している人は撮影の保定に関わらないようにするなど、安全への配慮を徹底する。

あわせて、動物が怖がりすぎないよう、ストレスに配慮した取り扱いも心がける。

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