イヌ・ネコの繁殖(生殖器・発情・妊娠)

雌雄の生殖器と配偶子(精子・卵子)、イヌ・ネコで異なる発情のしくみ、受精から妊娠(約63日)・出産までの流れ、避妊・去勢手術の意味、そして子宮蓄膿症など繁殖に関わる疾患までを図解で理解する。

1生殖器の全体像(雌雄)

雄は精巣で精子、雌は卵巣で卵子(あわせて配偶子)をつくる。雌の通り道は卵巣→卵管→子宮→腟。受精卵は子宮に着床して育つ。

雄は精巣で精子、雌は卵巣で卵子。受精卵は子宮に着床する。

繁殖は、雄と雌の生殖器がつくる配偶子(精子と卵子)が出会うことで成り立つ。

雄の生殖器では精巣で精子がつくられ、精巣上体・精管を経て陰茎から送り出される。

雌の生殖器では卵巣で卵子がつくられ、卵管・子宮・腟という通り道をもつ。

卵管で精子と卵子が出会って受精し、できた受精卵は子宮に着床して胎子へと育つ。

『雄=精巣で精子、雌=卵巣で卵子』という対応をまず押さえる。

2発情周期(イヌとネコの違い)

イヌは年1〜2回発情(発情前期→発情期→発情休止期→無発情期)。ネコは春〜夏に多い季節繁殖で、交尾の刺激で排卵する交尾排卵動物。

イヌ=年1〜2回の周期、ネコ=季節繁殖で交尾により排卵する。

メスが繁殖可能になる時期を発情といい、イヌとネコではしくみが異なる。

イヌは季節をあまり問わず年に1〜2回発情し、発情前期・発情期・発情休止期・無発情期という周期をたどる。

発情前期に陰部からの出血がみられ、続く発情期に交配が可能になる。

ネコは日が長くなる春から夏に発情を繰り返す季節繁殖動物で、交尾の刺激によって排卵が起こる交尾排卵動物である。

ネコは交尾で排卵するため妊娠しやすく、発情期には大きな声で鳴くなどのサインを示す。

3受精から妊娠・出産

卵管での受精→子宮への着床→妊娠→出産と進む。妊娠期間はイヌ・ネコともに約63日(約2か月)で、1回に複数頭を産む。

受精→着床→妊娠→出産。妊娠期間は約63日(約2か月)。

受精は卵管で起こり、精子と卵子が結びついて受精卵となる。

受精卵は子宮へ移動して着床し、胎子として育っていく。

妊娠期間はイヌ・ネコともにおよそ63日(約2か月)で、ネコはおよそ63〜65日とされる。

イヌ・ネコは一度に複数頭の子を産む多胎の動物である。

『交配からおよそ2か月で出産する』という目安を覚えておくと、出産予定日の見当をつけやすい。

4避妊・去勢手術

避妊(メス=卵巣・子宮の摘出)、去勢(オス=精巣の摘出)。望まない繁殖を防ぎ、乳腺腫瘍・子宮蓄膿症・精巣腫瘍などを予防する。術後は太りやすい。

避妊=卵巣(子宮)摘出、去勢=精巣摘出。繁殖制限と病気予防。

不妊手術には、メスの避妊手術(卵巣、または卵巣と子宮の摘出)とオスの去勢手術(精巣の摘出)がある。

主な目的は、望まない繁殖を防ぐことと、生殖器の病気を予防することである。

メスでは早めの避妊で乳腺腫瘍の発生が下がり、子宮蓄膿症を防げる。

オスでは精巣腫瘍や前立腺の病気を予防できる。

一方で、手術後は代謝が変化して太りやすくなることがあり、食事量の管理が大切になる。

手術の時期や効果・デメリットは獣医師と相談して決め、看護師は飼い主への説明を支える。

5臨床ポイント

子宮蓄膿症(未避妊メス・緊急)、乳腺腫瘍、停留精巣(腫瘍化リスク)、難産に注意。未避妊・未去勢では生殖器疾患のリスクを念頭に置く。

子宮蓄膿症・乳腺腫瘍・停留精巣・難産に注意。

繁殖に関わる病気は、特に避妊・去勢をしていない動物で問題になりやすい。

子宮蓄膿症は未避妊の中〜高齢メスに多く、子宮内に膿がたまり、陰部からの排膿・元気食欲の低下・多飲多尿がみられる緊急疾患である。

乳腺腫瘍はメスで多く、早期の避妊で発生が下がるため、しこりに気づいたら早めの受診が望ましい。

オスでは、精巣が陰嚢に降りてこない停留精巣が腫瘍化の危険因子となる。

出産時の難産は母子ともに危険で緊急対応が必要なため、出産予定日や発情周期を記録しておくことが助言に役立つ。

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