イヌ・ネコの筋骨格系

体を支え守り動かす骨格の全体像、骨の5つの役割と関節・靭帯、筋肉の3種類(骨格筋・心筋・平滑筋)、拮抗筋による関節運動、そしてイヌ・ネコで多い整形外科疾患までを図解で理解する。

1骨格の全体像

骨格は体を支え・内臓を守り・運動の支点になる。頭蓋・脊柱・肋骨・四肢が骨組みをつくり、骨は造血やカルシウム貯蔵も担う。

頭蓋・脊柱・肋骨・四肢。支持・保護・運動・造血・貯蔵を担う。

骨格は多数の骨が組み合わさってできた体の枠組みで、頭蓋・脊柱(背骨)・肋骨(胸郭)・四肢などからなる。

その役割は、体を支える(支持)、脳や内臓を守る(保護)、筋肉の力を受けて動く支点になる(運動)ことである。

さらに骨の内部の骨髄では血液がつくられ(造血)、骨はカルシウムなどの貯蔵庫にもなっている。

このように骨格は『体を形づくり動かす』だけでなく、体の内部のはたらきにも深く関わっている。

2骨の役割と関節

骨の役割は支持・保護・運動・造血・カルシウム貯蔵の5つ。骨どうしの連結部が関節で、骨と骨は靭帯でつながる。

支持・保護・運動・造血・貯蔵の5役割。骨と骨は靭帯で連結。

骨には大きく5つの役割がある。

体を支える支持、脳・内臓を守る保護、筋肉の支点となる運動、骨髄で血液をつくる造血、そしてカルシウムを蓄える貯蔵である。

骨どうしがつながって動く部分を関節といい、関節があることで体は自由に曲げ伸ばしできる。

関節で向かい合う骨と骨は、靭帯という丈夫な組織で結びつけられて安定が保たれている。

後で出てくる腱(筋と骨をつなぐ)と、靭帯(骨と骨をつなぐ)の違いを混同しないよう注意する。

3筋肉の種類(骨格筋・心筋・平滑筋)

筋肉は骨格筋(横紋・随意・骨を動かす)、心筋(横紋・不随意・心臓)、平滑筋(横紋なし・不随意・内臓血管)の3種類。意思で動かせるのは骨格筋だけ。

骨格筋=随意、心筋・平滑筋=不随意。意思で動かせるのは骨格筋のみ。

筋肉は、はたらきと見た目から骨格筋・心筋・平滑筋の3種類に分けられる。

骨格筋は骨について体を動かす筋で、しま模様(横紋)があり、自分の意思で動かせる随意筋である。

心筋は心臓をつくる筋で、横紋をもつが意思では動かせない不随意筋である。

平滑筋は胃腸や血管の壁などにある筋で、横紋がなく、これも意思とは無関係に動く不随意筋である。

『自分の意思で動かせるのは骨格筋だけ』という点が重要なポイントになる。

4関節が動くしくみ(拮抗筋)

骨格筋は腱で骨につき、屈筋と伸筋など対になった拮抗筋が交互に収縮・弛緩して関節を曲げ伸ばしする。筋と骨をつなぐのが腱。

屈筋と伸筋(拮抗筋)が交互に働く。筋と骨をつなぐのは腱。

骨格筋は両端が腱を介して別々の骨につき、収縮することで関節をまたいで骨を引き寄せる。

関節を曲げる筋(屈筋)と伸ばす筋(伸筋)は対になっており、これを拮抗筋という。

一方が縮むときに他方がゆるむことで、関節はなめらかに曲げ伸ばしされる。

筋と骨をつなぐのが腱、骨と骨をつなぐのが靭帯であり、この2つを区別して覚える。

筋・腱・骨・関節が連携することで、はじめて体は動くことができる。

5イヌ・ネコの臨床ポイント

膝蓋骨脱臼(小型犬)、前十字靭帯断裂、股関節形成不全(大型犬)が代表的。跛行・スキップ歩様は要観察、肥満は関節の負担になる。

膝蓋骨脱臼・前十字靭帯断裂・股関節形成不全に注意。

筋骨格はイヌ・ネコの整形外科でよく扱われる領域である。

膝蓋骨脱臼(パテラ)は小型犬に多く、膝のお皿がずれてスキップのような歩き方をすることがある。

前十字靭帯断裂は後肢の膝の靭帯が切れる障害で、急に足を着けなくなる。

股関節形成不全は大型犬に多い遺伝的素因のある病気で、歩き方の異常や痛み、関節炎を起こす。

跛行(足を引きずる)・立ち上がりにくさは観察ポイントで、肥満は関節への負担を増やすため体重管理が予防に重要である。

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