イヌ・ネコの血液

血液をつくる血球と血漿、赤血球による酸素運搬、白血球による生体防御、血小板と凝固因子による止血、そしてイヌ・ネコで多い貧血や血液型・輸血の注意点までを図解で理解する。

1血液の成分

血液は細胞成分の血球(赤血球・白血球・血小板)と液体成分の血漿からなる。血球で最も多いのは赤血球。

血液=血球(赤血球・白血球・血小板)+血漿。最も多いのは赤血球。

血液は、細胞である血球と、液体である血漿からできている。

血球には赤血球・白血球・血小板の3種類があり、なかでも赤血球が最も多い。

血漿は水を主成分とし、タンパク質や栄養素、老廃物などを溶かして運ぶ。

血液を試験管に入れて遠心分離すると、重い血球が下に沈み、上に淡い黄色の血漿が分かれて見える。

全体に占める血球(主に赤血球)の割合をヘマトクリットといい、貧血の指標になる。

2赤血球と酸素運搬

赤血球は中のヘモグロビン(鉄を含む赤い色素)で酸素を運ぶ。赤血球やヘモグロビンが不足した状態が貧血。

ヘモグロビンが酸素を運ぶ。不足した状態が貧血。

赤血球の最も重要なはたらきは、全身に酸素を運ぶことである。

赤血球の中にはヘモグロビンという鉄を含む赤い色素があり、これが酸素と結びついて運搬する。

肺で酸素を受け取った赤血球は、血流に乗って全身の細胞に酸素を届け、かわりに二酸化炭素を回収する。

赤血球の数やヘモグロビンの量が不足すると、酸素を十分に運べなくなり貧血となる。

貧血では、粘膜が白っぽくなる・元気がなくなる・疲れやすいといったサインがみられる。

3白血球と生体防御

白血球は細菌・ウイルスなどの異物から体を守る。好中球(貪食)・リンパ球(免疫の主役)・単球・好酸球・好塩基球がある。感染・炎症で増えやすい。

好中球(貪食)・リンパ球(免疫の主役)などが体を守る。

白血球は、細菌やウイルスなどの異物から体を守る生体防御の細胞である。

白血球にはいくつかの種類があり、好中球は細菌を取り込んで殺す(貪食)はたらきをもち、数も多い。

リンパ球は免疫の主役で、T細胞・B細胞などがあり、後で学ぶ免疫の中心となる。

ほかに単球(組織でマクロファージになる)、好酸球(寄生虫やアレルギーに関与)、好塩基球などがある。

細菌感染や炎症があると、白血球の数が増えることが多く、血液検査の手がかりになる。

4血小板と止血(凝固)

出血は、まず血小板が傷口に集まり(一次止血)、次に凝固因子がフィブリンの網をつくって固める(二次止血)ことで止まる。

血小板が傷口に集まり(一次)、フィブリンが固める(二次)。

血管が傷ついて出血すると、体は段階的に出血を止めようとする。

まず血小板が傷口に集まってふさぐ(一次止血)。

続いて血漿中の凝固因子がはたらき、フィブリンという繊維の網をつくって血球を絡め取り、しっかりと固める(二次止血)。

こうしてできた血のかたまりが血栓となり、出血が止まる。

血小板や凝固因子が不足すると出血が止まりにくくなり、皮下出血や鼻血などがみられることがある。

5イヌ・ネコの臨床ポイント

貧血(腎臓病・出血・タマネギ中毒など)に注意。ネギ類は溶血性貧血を起こすため厳禁。ネコの血液型はA/B/AB型で、不適合輸血が危険。

貧血・ネギ中毒(溶血)・血液型と輸血に注意。

血液はイヌ・ネコの診療でも重要で、貧血はさまざまな病気のサインとして現れる。

貧血の原因は、慢性腎臓病による造血の低下、出血、赤血球が壊れる溶血など多岐にわたる。

タマネギやネギなどのネギ類は赤血球を壊して溶血性貧血を起こすため、イヌ・ネコには絶対に与えない。

輸血の際は血液型の確認が欠かせず、ネコの血液型はA・B・AB型に分けられ、とくにネコは初回でも不適合輸血で重い反応が起こりうる。

口や結膜の粘膜の色(白い=貧血、黄色い=黄疸)の観察や、血球数を調べる血液検査(CBC)が基本になる。

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