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臨床動物学

皮膚病変(発疹)の分類と皮膚の構造

皮膚に現れる病変(発疹)は、最初に生じる『原発疹』(丘疹・紅斑・水疱・膿疱など)と、それが変化してできる『続発疹』(鱗屑・びらん・潰瘍・瘢痕など)に分けられる。びらんと潰瘍の深さの違い、胼胝(たこ)・鶏眼(魚の目)といった病変、そして表皮(角質層〜基底層)・真皮・皮下組織という皮膚の層構造と付属器を整理する。

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1原発疹と続発疹

要点皮膚病変(発疹)は、最初に生じる基本的な変化『原発疹』と、それが時間とともに変化してできる『続発疹』に分けられる。原発疹は紅斑・丘疹・結節・水疱・膿疱など、続発疹は鱗屑・びらん・潰瘍・痂皮・瘢痕などがある。

皮膚の病変(発疹)は、最初に生じる基本的な変化である原発疹(紅斑・紫斑・丘疹・結節・腫瘤・水疱・膿疱・膨疹など)と、それが変化してできる二次的な変化である続発疹(鱗屑・びらん・潰瘍・痂皮・瘢痕・萎縮など)に大きく分けられる。

皮膚にあらわれる病変(発疹)を整理するとき、まず『原発疹』と『続発疹』に分ける。

原発疹は、皮膚病変として最初に生じる基本的な変化である。

代表的なものに、紅斑、紫斑、丘疹、結節、腫瘤、水疱、膿疱、膨疹などがある。

続発疹は、原発疹が時間の経過や引っかきなどによって変化してできる二次的な変化である。

代表的なものに、鱗屑、びらん、潰瘍、痂皮(かさぶた)、瘢痕、萎縮などがある。

皮膚の病気を診るときは、『今あるのは原発疹か続発疹か』『どんな種類の病変か』を見分けることが、診断の手がかりになる。

次に、代表的な原発疹・続発疹の用語を、意味とあわせて整理する。

2代表的な原発疹(丘疹・紅斑など)

要点丘疹は、直径1cm以下くらいの、皮膚から盛り上がった限局性の小さな隆起。紅斑は、真皮の浅い層で血管が拡張・充血して生じる赤み。ほかに、水ぶくれの水疱、膿をもつ膿疱、しこりの結節などがある。

代表的な原発疹を見ていく。

丘疹(きゅうしん)は、直径がおよそ1cm以下(小さいもの)の、皮膚から盛り上がった限局性の隆起である。

紅斑(こうはん)は、真皮の浅い層(真皮浅層)で血管が拡張して充血することにより生じる、赤い色の変化である(押すと消えることが多い)。

水疱(すいほう)は、中に液体(漿液)がたまった水ぶくれである。

膿疱(のうほう)は、中に膿(うみ=白血球など)がたまったものである。

結節(けっせつ)は、丘疹より大きく、皮膚の深いところまでしこりとして触れる隆起である(さらに大きいものを腫瘤という)。

膨疹(ぼうしん)は、いわゆるじんましんで、一時的に出てすぐ消える盛り上がりである。

これらが『最初に出る病変(原発疹)』として整理される。

3代表的な続発疹(鱗屑・びらん・潰瘍など)

要点鱗屑は、角質(皮膚の表面の層)が皮膚表面に異常に蓄積・はがれたもの(フケ状)。びらんは、表皮〜真皮浅層までの浅い欠損で、治っても瘢痕を残さない。潰瘍は、びらんより深く真皮〜皮下組織まで達する欠損で、治ると瘢痕を残す。痂皮はかさぶた。

代表的な続発疹を見ていく。

鱗屑(りんせつ)は、皮膚の表面の角質(角質層)が、はがれて皮膚表面に異常に蓄積したものである(フケのように見える)。

びらん(糜爛)は、表皮〜真皮の浅い層までにとどまる、比較的浅い皮膚の欠損である。

基底層あたりまでの浅い欠損で、治っても瘢痕(あと)を残さないのが特徴である。

潰瘍(かいよう)は、びらんより深く、真皮から皮下組織(あるいは筋肉)まで達する深い欠損である。

深いところまで組織が失われるため、治るときには瘢痕を残す。

痂皮(かひ)は、いわゆる『かさぶた』で、滲出液や血液・膿などが固まったものである。

瘢痕(はんこん)は、欠損した正常な組織が、線維性の組織で置き換わって修復された状態(傷あと)である。

過剰に盛り上がった瘢痕をケロイドという。

このように、続発疹は原発疹が変化したり、組織が失われたり修復されたりしてできる病変である。

4びらんと潰瘍の違い・胼胝・鶏眼

要点深さの違いが重要。びらん=浅い(表皮〜真皮浅層、瘢痕を残さない)、潰瘍=深い(真皮〜皮下組織、瘢痕を残す)。胼胝(たこ)は角質が厚くなったもの。鶏眼(魚の目)は角質が楔状に深部へ増殖して芯(角栓)ができ、痛みを伴う。

皮膚の欠損で、よく区別が問われるのが『びらん』と『潰瘍』の違いで、ポイントは深さである。

びらんは、表皮〜真皮の浅い層までにとどまる浅い欠損で、治っても瘢痕を残さない。

潰瘍は、真皮〜皮下組織まで達する深い欠損で、治ると瘢痕を残す。

『びらんは浅い・あとを残さない、潰瘍は深い・あとを残す』と覚える。

また、角質が増えてできる病変もある。

胼胝(べんち、いわゆる『たこ』)は、くり返す摩擦・圧迫などで、皮膚の角質が厚く硬くなったものである(多くは痛みは少ない)。

鶏眼(けいがん、いわゆる『魚の目』)は、角質が楔(くさび)のように皮膚の深いほうへ向かって限局的に厚くなり、芯(角栓)ができたもので、その芯が下の組織を押すため痛みを伴うことが多い。

胼胝・鶏眼は、原発疹・続発疹とは別の『その他の病変』として扱われる。

5皮膚の構造(表皮・真皮・皮下組織)

要点皮膚は、外側から表皮・真皮・皮下組織の3層。表皮はさらに、角質層・透明層(肉球など一部)・顆粒層・有棘層・基底層に分かれ、基底層で新しい細胞が作られて上へ押し上げられる。真皮には、皮脂腺・アポクリン汗腺・エクリン汗腺などの付属器がある。

発疹の深さを理解するために、皮膚の層構造を押さえておく。

皮膚は、外側から順に、表皮・真皮・皮下組織の3層からなる。

いちばん外側の表皮は、さらに外側から、角質層・(透明層)・顆粒層・有棘層・基底層に分かれる(透明層は肉球など一部の厚い皮膚にみられる)。

いちばん下の基底層で新しい細胞が次々につくられ、有棘層→顆粒層→角質層へと上に押し上げられ、最後は角質となってはがれ落ちる(ターンオーバー)。

表皮の下の真皮は、コラーゲンなどの線維に富み、血管・神経が通る丈夫な層である。

さらに下の皮下組織は、おもに脂肪からなり、クッションや断熱の役割をもつ。

皮膚の付属器(皮膚に付属する器官)として、皮脂を出す皮脂腺、汗を出すアポクリン汗腺・エクリン汗腺、毛をつくる毛包などがあり、これらは真皮(や毛包)に存在する。

(びらんは表皮〜真皮浅層、潰瘍は真皮〜皮下組織、という『深さ』も、この層構造で理解できる。

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芋づる表

皮膚病変(発疹)の分類

要点最初に出る原発疹と、それが変わってできる続発疹に分ける。びらんは浅く跡を残さない、潰瘍は深く瘢痕を残す。

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原発疹

紅斑
こうはん
真皮浅層の血管が拡張・充血した赤み。押すと消えることが多い
丘疹
きゅうしん
直径およそ1cm以下の限局性の盛り上がり
結節
けっせつ(しこり)
丘疹より大きく深い隆起。さらに大きいものは腫瘤
水疱
すいほう(水ぶくれ)
中に液体(漿液)がたまる
膿疱
のうほう
中に膿(白血球など)がたまる
膨疹
ぼうしん(じんましん)
一時的に出てすぐ消える盛り上がり

続発疹

鱗屑
りんせつ(フケ状)
角質がはがれて表面に異常にたまる
痂皮
かひ(かさぶた)
滲出液・血液・膿などが固まったもの
びらん
びらん(糜爛)
表皮〜真皮浅層の浅い欠損。瘢痕を残さない
潰瘍
かいよう
真皮〜皮下組織に達する深い欠損。瘢痕を残す

そのほかの病変

胼胝
べんち(たこ)
摩擦・圧迫で角質が厚く硬くなる。痛みは少ない
鶏眼
けいがん(魚の目)
角質が楔状に深く増え芯(角栓)ができ、痛む
理解できたら腕試し
確認問題 13問をとく