1CKD治療の考え方(治すのではなく進行を遅らせる)
慢性腎臓病(CKD)は、いったん壊れた腎臓を元に戻すことはできない。治療の目的は『完治』ではなく、進行を遅らせ、症状(尿毒症など)をコントロールして生活の質(QOL)を保つこと。方針は、病期・脱水・食欲・尿毒症症状・血圧/蛋白尿などから総合的に決める。
慢性腎臓病(CKD)は、長い時間をかけて腎臓の機能が少しずつ失われていく病気で、壊れた腎臓の組織を元どおりに再生させることはできない。
そのため、治療の目的は『治す(完治)』ことではなく、進行をできるだけ遅らせ、尿毒症などの症状をやわらげて、その猫の生活の質(QOL)を長く保つことにある。
重要なのは、『腎不全だから必ず輸液が必要』というわけではない、という点である。
治療方針は、検査の数値だけで決めるのではなく、次のような複数の要素から総合的に判断する。
具体的には、①病期(IRISステージ)、②脱水の有無、③食欲の有無、④尿毒症症状(嘔吐・元気消失など)の有無、⑤血圧や蛋白尿の有無、などである。
近年は治療の選択肢が増え、『輸液と療法食』だけでなく、リン管理・血圧/蛋白尿の薬・進行抑制薬などを、その猫の状態に合わせて組み合わせる考え方になっている。